概要
インストール直後のUbuntu 16.04 LTSに対して、
WordPressが動作する環境を構築する手順です。
今回の環境構築でインストールする項目は、下記の通りです。
- SSH
- Apache Ver2.4.x
- PHP Ver7.x
- MySQL Ver5.7.x
- phpMyAdmin
- vsftpd
- Samba
※今回は、Window10上のVirtualBoxに作成した、Ubuntu 16.04 LTS(2021年4月までサポート)を使用します。
Ubuntu16.04をWindows10のVirtualBox上に作成したい場合は、こちらの記事を参照ください。
目次
事前準備
Guest Additionsをインストール
VirtualBoxにインストールしたばかりのUbuntuは何かと不便なので、
VirtualBoxのGuest Additions をインストールしておきましょう。
1.メニューバーの「デバイス」-「Guest Additions CD イメージの挿入…」を選択する。
2.しばらくすると下図のとおりポップアップが表示されるので、「実行する」を選択する。
3.パスワード認証画面が表示されるので、設定したパスワードを入力し、「認証する」を選択する。
※本HPですべてインストールしている場合の例は、「trustno1」
4.インストールが開始されるので、しばらく待ちましょう。
5.インストールが完了すると、「Press Return to close this window…」と出たら、Enterキーを押してください。
6.「Guest Additions CD イメージ」を取り出しておきましょう。
ターミナル起動
コマンドで設定をしていくので、ターミナル(端末)を起動させておきましょう。
1.「コンピューターとオンラインリソースを検索」をクリックすると検索窓が出てくるので、「terminal」と検索する。
下図の通り「端末」をクリックして起動する。
2.「端末」が起動する。
インストール方法
下記の通りのコマンドと設定をしていけば一通りWordPress環境が構築されます。
即席で環境を作るために、余計な設定や説明は省略します。
apt-get
下記コマンドで、パッケージをアップデートする
sudo apt update sudo apt -y upgrade
パスワードを聞かれたら「trustno1」と入力
※パスワード入力の際、一見入力されていないように見えるが、実は入力されているので注意
vim
初期状態ではvi(vim)の動作がおかしいので、
下記コマンドでvi(vim)を最新の状態にしておく
sudo apt install -y vim
SSH
下記コマンドでインストール後、SSH接続できます。
sudo apt install -y ssh
Apache Ver2.4.x
1.Apacheのインストール
sudo apt install -y apache2
2.Version確認
apache2 -v Server version: Apache/2.4.52 (Ubuntu) Server built: 2023-05-03T20:02:51
3.Apacheサーバの起動
sudo service apache2 start sudo service apache2 status sudo systemctl enable apache2
4.Apacheサーバの自動起動確認
sudo systemctl is-enabled apache2 enabled
PHP Ver7.x
PHPのインストール
sudo apt install -y php sudo apt install -y php-mysql sudo apt install -y libapache2-mod-php sudo apt install -y libapache2-mpm-itk
PHPの設定
MySQL(MariaDB)用のライブラリを使えるように設定を有効化
sudo vi /etc/php/7.0/apache2/php.ini
- 「extension=msql.so」のコメントアウト「;」を削除し、有効化する。
- エラーメッセージをブラウザに表示するように設定を変更
- [445行目付近]
;error_reporting = E_ALL & ~E_DEPRECATED & ~E_STRICT
↓コメントアウト「;」を消して、有効化にし設定値を「E_ALL」にする。
error_reporting = E_ALL - [461行目]
display_errors = Off
↓設定値を「Off」→「On」に変更
display_errors = On
- [445行目付近]
Version確認
php -v PHP 7.0.10-2+deb.sury.org~xenial+1 (cli) ( NTS )<br />Copyright (c) 1997-2016 The PHP Group<br />Zend Engine v3.0.0, Copyright (c) 1998-2016 Zend Technologies<br />with Zend OPcache v7.0.10-2+deb.sury.org~xenial+1, Copyright (c) 1999-2016, by Zend Technologies
apacheの再起動
sudo /etc/init.d/apache2 restart
MySQL Ver5.7.x
MySQLサーバのインストール
sudo apt-get -y install mysql-server
※インストール中、MySQLのrootパスワードの設定を求められるので、設定する。
今回は「trustno1」を設定する。
Version確認
mysqld -V mysqld Ver 5.7.13-0ubuntu0.16.04.2 for Linux on x86_64 ((Ubuntu))
MySQLにログイン
mysql -u root -p Enter password: ← 「trustno1」と入力する。
データベース作成
WordPressで使用するデータベース(今回は「wordpress」とするが任意で変更可)を作成する。
mysql> create database wordpress;
MySQLから切断
mysql> exit;
外部から接続させるための設定編集
sudo vi /etc/mysql/mysql.conf.d/mysqld.cnf
下記ををコメントアウトする
bind-address = 127.0.0.1
↓
#bind-address = 127.0.0.1
MySQLの再起動
sudo /etc/init.d/mysql restart sudo /etc/init.d/mysql start sudo /etc/init.d/mysql stop
phpMyAdmin
phpMyAdminのインストール
ターミナル端末より下記コマンドを実行する
sudo apt-get -y install phpmyadmin
※途中「phpMyAdminを動作させるために自動再設定を行うwebサーバを選んでください。」
と出るので、「apache2」にチェック(※1)して<了解>を選択する。
また、MySQLのパスワードを聞かれるので「trustno1」入力する。
「データベースサーバにphpmyadminが登録するパスワードを入力してください。」も今回「trustno1」とする。
(※1)「apache2」を選択状態(アクティブ)で、スペースキーを押すと「*」(チェック)が入る
phpMyAdminの設定
アクセス制御
sudo vi /etc/phpmyadmin/apache.conf
8行目あたりにアクセス許可するIPに以下追記
Require ip 127.0.0.1 192.168.23.0/24
シンボリックリンクの作成
ApacheからphpMyAdminにアクセスできるように、設定ファイルのシンボリックリンクを作成します。
sudo ln -s /etc/phpmyadmin/apache.conf /etc/apache2/conf-available/phpmyadmin.conf
下記項目が出た場合は、特に問題ないので次へ進んでください。
「~’./phpmyadmin.conf’の作成に失敗しました:ファイルが存在します。」
sudo a2enconf phpmyadmin
下記項目が出た場合は、特に問題ないので「Apacheのリロード」へ進んでください。
「Conf phpmyadmin already enabled」
Apacheのリロード
sudo service apache2 reload
Apacheの再起動
sudo /etc/init.d/apache2 restart
phpMyAdminを使う
ブラウザから下記URLにアクセスする
http://(サーバーのホスト名またはIPアドレス)/phpmyadmin/
例) http://localhost/phpmyadmin/
http://192.168.23.100/phpmyadmin/
vsftpd
こちらから
Samba
Sambaのインストールと設定
- Sambaインストール
sudo apt install -y samba
- Sambaで共有するフォルダのパーミッションを変更
sudo chmod 777 /var/www/html/
- Sambaの設定
sudo vi /etc/samba/smb.conf
- 25行目付近の[global]の下に下記を追加する。
unix charset = UTF-8 dos charset = CP932
- 50行目付近:コメント解除しアクセス許可IP追記
interfaces = 127.0.0.0/8 192.168.0.0/24 192.168.11.0/24 192.168.23.0/24 eth0
- 57行目:コメント解除
bind interfaces only = yes
- 最終行に下記を追加する。
path = /var/www/html writable = yes browseable = yes guest ok = yes guest only = yes create mode = 0777 directory mode = 0777
Sambaの起動
- Sambaの再起動
- SambaをGUI画面から設定する場合は、下記コマンド
sudo apt install -y system-config-samba sudo system-config-samba
※「SystemError: could not open configuration file `/etc/libuser.conf': そのようなファイルやディレクトリはありません」と表示される場合は、下記をコマンドを実行する
sudo touch /etc/libuser.conf sudo chmod 777 /etc/libuser.conf sudo system-config-samba
セキュリティ関連の無効化
ファイアウォールを無効にする
sudo ufw disable
apparmor無効化(SELinuxみたいなもの)
sudo service apparmor stop